ウオーク会 第126回

2025年9月

北茨城市 十石堀の水源をめぐる

スタート地点「親水公園」 この工事に貢献した沼田主計の顕彰碑の前で参加者。沼田主計(ぬまたかずえ)は当時の村長で領主を説得して工事を立案した。十石堀の水は松井地区、日棚地区、粟野地区の3地区で利用された。領主は十石堀の建設と新田の開発に功績があった沼田主計を称え、開発された新田のうち、沼田主計にかかる租税を免除した。沼田主計の米の収穫高が約10石であったことから、建設された用水路は十石堀と呼ばれるようになった 9月20日、第126回ウオーク会を開催した。猛暑が予想された開催予定日は幸い曇天となり、程よく汗ばむ程度で快適にウオークが出来た。
 今回は北茨城市中郷(当時の松井村)にある世界かんがい施設遺産を訪ねた。令和元年に遺産登録された「十石堀」は1669年、水不足に苦しんでいた松井村の農民が延べ約5000人・約7カ月で完成させたもの、その用水路延長は約15㎞のかんがい用水路。現在も350年の間、水枯れを起こさず農業用水や防火用水、飲料水として利用されている。
 参加者6人は用水路の中間地点とされる親水公園に10時集合、2㎞先の上流を目指し、イザ出発。
 用水路の工事は農民達がⅤ字型に山を切り開くため、花崗岩の岩盤の上で火をたき、水をかけて急激に冷やし、亀裂を生じさせて砕く作業を繰り返したという。山深くに自然の地形を生かした用水路は今も豊富な水量が流れており、工事の苦労がヒシヒシと感じ取れた。
 現在の十石堀は、落ち葉などが用水路に入らぬよう維持管理のため鉄筋コンクリート三面張り水路などに改修されている箇所もある。
 今後も機会があれば、親水公園から6㎞先にある水源取水口を訪ねてみたい。そこから2㎞下流の区間は、ほぼ建設当時の姿のまま残されているとの事なので往時を偲び、農民の苦労と心意気を感じて取れればと再度チャレンジしたい。
 心地よい汗をかいた後は、幹事の配慮で高萩の奥座敷「食処 魚天坊」で昼食、びっくりボリュウム満点てんぷらそば等を美味しくいただき満腹。しばしの談笑で腹ごなしをしても食べきれなかった残りの天ぷらはテイクアウトさせてもらい帰路に着いた。


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